最近耳にすることが多くなった「老後破産」という言葉ですが、総務省の家計調査では年金生活を送る高齢夫婦世帯の収支は月約6万円マイナスで、年間にすると約70万円は不足が生じる計算になると言われています。この不足分は貯金を切り崩すことなどが必要になりますが、老後の生活資金だけでなく、例えばケア付きの住宅や介護施設などに入居する必要性が高まる可能性についても考えておく必要があります。しかし老後に貯金がなければ、介護施設にもケア付きの住宅にも住み替えることができません。そのため家を売却して老後資金を確保する人も多くなっているようです。

家を売って中古物件に住み替える

家を所有し続けていたとしても、地方の郊外の家などは相続した子供などが住むこともなく、空き家状態となることも多いようです。子供が相続で譲り受けた頃には家も老朽化が進み、売却しようにも売れず、取り壊すこともできずというケースが多々あります。そのため本当に残したほうが良いか検討することが必要と言えるでしょう。そのため現在住んでいる家を売り、安い中古物件を購入して浮いたお金を老後資金に充てるといったことを検討する年配の人も多いようです。

当時は利便性が悪くても問題なかったけれど…

現役で車の運転ができたけれど、高齢になれば車での移動はできなくなるでしょう。駅からどのくらいの場所に家があるのか、スーパーやかかりつけの病院などはすぐ近くにあるかなども考える必要があります。移動に必要な費用がかさむと、大切な老後の生活資金を削ることになるからです。当初は子供のために郊外で閑静な住宅地などが良いと考えて購入したかもしれませんが、車があったから良かったものの、交通の便が悪いことで移動は全てタクシー利用では費用の負担が大きくなります。

家の売却を検討するなら資産価値の確認を

仮に老後の貯金もなく、現在の家では不便だからと家の買い替えなどを検討する場合には現在所有している家の資産価値を把握することが必要です。いざ売る時にどのくらいの価格で売れるかを知っておくことで、老後資金としてどのくらい確保できるかを知ることができます。さらに買い替えなら、次に購入する中古物件の価格の目安を確認することもできるでしょう。

老後資金のための計画は事前に行うことが必要

介護施設などに入居することを検討する場合には、中古物件を購入するのではなく公営の住宅に申込みを行ったほうが老後資金を無駄に使わなくて良い可能性もあります。老後の資金計画を立てておくことは自分のためだけでなく自分の子供のためでもあります。不動産会社に自宅の評価額を査定してもらうなど、現在の価値を知ることもできますので相談してみると良いでしょう。

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