もし今空き家を所有していて売れなかったらどうするでしょう。そもそも売れない空き家とはどのような状態を示すのでしょうか。
売りに出していても買い手が見つからない場合もあれば、そもそも空き家が売れるだけの価値のない物件の場合もあるでしょう。
また、誰が所有者なのか分からない空き家もあれば、所有者が複数いて売主の意見がまとまらずに売りに出せないということも考えられます。
なぜ空き家を売ることができない?
売りに出す空き家に魅力がなければ、いくら売りたくても買い手が見つからない可能性があります。また、空き家を複数の相続人が相続して持分で共有している場合、全員が売りに出すことに合意しなければ売ることはできません。
買い手はいるのに売れないケース
さらに、買い手はいるのに売ることができないケースとして、隣地と境界について揉めている場合や、再建築ができないという場合も考えられます。
不動産の売買において、面積や境界を確定することは必ず必要ですが、隣地と境界で揉めている場合にはどこまでが売る土地なのか明確にすることができず、売ることができません。そもそも面積が確定しなければ、金融機関は担保価値がないとしますので融資を行わないでしょう。
さらに隣地が空き家などで誰が所有者なのかわからない場合など、様々なトラブルが重なるケースも見られます。
家を建てることができない土地だから売れない?
家を建てる時には、4m幅の道路に2m以上接しなければならないという決まりがありますが、この道路は公道でなくても問題ありません。
しかし私道の持ち分を持つことができない場合、水道や下水などに対して私道の所有者から承諾を得ることが必要です。しかし、承諾してもらえない場合には家を建てることはできなくなると言えるでしょう。
また、建築基準法に違反している家も多くありますが、この場合においても金融機関から融資を受けることは難しくなります。そのため、買うことを希望する人がいたとしても、売るに売れない状況に陥ってしまいます。
少子高齢化がさらに追い打ちをかける?
このように売りたくても売れないというケースもありますが、追い打ちをかけるように日本では少子高齢化が進んでいます。核家族が当たり前になっているため、子どもは独立して実家を離れ、いずれ結婚して別で家を構えることのほうが多いと言えるでしょう。
独居老人の孤独死なども問題視されていますが、仮に一人暮らしをする親が亡くなった時、実家を相続しても管理ができずに放置したまま空き家状態にならないでしょうか。
空き家問題は他人事ではない!
今後、このような放置される空き家はさらに増えると考えられていますが、先に述べたように売りたくても売れない状態の空き家の問題と合わさると、さらに深刻化することも予想される状況だと言えるでしょう。