老後にどのような費用が生活費として必要になるのでしょう。内容を理解しておけば、自分が老後を迎えた時に慌てることなく過ごせますし、老後資金を準備する上での目安にすることもできるでしょう。

 

公的年金や恩給だけで生活する人が半数以上

厚生労働省が実施した「2015年 国民生活基礎調査」では、65歳以上の公的年金等受給者のみで構成される高齢者世帯のうち、総所得を占める割合が公的年金や恩給のみという世帯は55.0%でした。
現在では公的年金だけで生活する世帯が約半数を超えて存在するということになります。高齢者世帯全体で見た場合でも、総所得のうち約7割は公的年金と恩給によって賄われており、稼働所得が約2割、あとは家族からの仕送りや企業年金、個人年金などの所得です。
しかし今後は年金だけで老後の生活資金を補っていくことは困難ですので、何らかの形で自助努力による老後資金の準備が必要になるでしょう。

 

定年後のお金の使い方は生活費がメイン

手取り額は収入から税金や社会保険料などを差し引いたものですが、定年を迎える前の手取り額は大きく生活費と貯蓄部分に分けることができます。
しかしセカンドライフの生活費は貯蓄部分がなくなり、生活費メインとなるのでむしろ貯蓄部分を取り崩していく生活に突入します。

老後を境に必要な出費にも変化が出る
現役世代では費用としてお金を使っていた項目でも、リタイア後は必要なくなる項目があります。
また、反対にリタイア後にこれまではお金を使うことのなかった費用が増えるケースや、定年に関係なく常に費用として必要な項目もあります。それぞれどのような費用があるかを確認しておきましょう。

●リタイア後には必要なくなる支出
・住宅ローンの返済費
・接待交際費や職場での飲食代
・スーツやワイシャツ、ネクタイ、革靴などビジネス被服代
・子供の教育
・社会保険料

●定年に関係なく費用な支出
・家賃や住居費(固定資産税・修繕費)
・水道光熱費
・食費
・生命保険や損害保険の保険料
・介護保険料
・冠婚葬祭費用

●リタイア後に必要になる支出
・葬儀関係の費用
・趣味の費用
・国民健康保険料

 

就労所得のない世帯では不足が生じている

例えば世帯員が2人以上の家計では、実収入から税金や社会保険料等を差し引いた可処分所得が約18.0万円ですが、消費支出が約24.8万円のため約6.8万円1か月に不足する計算になります。
単身無職世帯では、可処分所得が約10.3万円で、対する消費支出が約14.4万円なので約4.1万円不足します。
世帯主が60歳以上で就労収入がない世帯の場合、毎月約4~7万円を取り崩すことが多いようです。

 

早い段階から老後資金の準備が必要!

もし年金以外の収入がなければ、この不足分はすべて貯蓄分から補うことになるでしょう。将来的に不足が生じた時のために、老後資金の準備を早い段階からしておくことが必要です。

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