日本では空き家増加が問題視されていますが、総務省が実施した調査による最新データ(平成25年)での空き家数は820万戸で、総住宅数の13.5%を占めていました。
今後もますます空き家は増加するといわれていますが、その理由は何なのでしょうか。
空き家が増えた要因とは?
空き家が増えた要因として、使わなくなった住宅が放置されたままになっていることが原因と考えられます。
たとえば親が介護施設などに入所したという理由で、誰も住むことのなくなった実家が放置されているケースもあれば、親が亡くなり相続した実家が放置されているというケースもあります。
さらに日本では新築住宅に人気が集まりやすく、中古物件はあまり人気がないというのも理由です。それに加えて家を解体すると土地の固定資産税が高くなるという税制度の問題、住むことのない家を解体するだけで費用がかかるという問題などが挙げられるでしょう。
使わなくなった家は、売却するか、誰かに貸すか、または他の用途に利活用するといった選択を行う必要があります。いずれかの選択がなされない場合、今後ますます空き家は増え続けていくでしょう。
放置していても費用がかかるのは同じ?
確かに家を解体するにはお金がかかります。たとえば、延床面積30坪程度の木造住宅でかかる費用は120~150万円で、RC住宅になると180~200万円程度は掛かることもあります。
しかし、空き家対策として自治体が解体費用に対する補助金を給付している場合もありますので、直接問い合わせて確認することも必要になるでしょう。
老朽化が進み、倒壊や治安、景観悪化などに多大な悪影響を及ぼす空き家は「特定空家等」に指定され、指定を受けた場合にはいずれにしても家の下の土地が受けていた固定資産税の軽減の特例はなくなります。
解体して更地にしたときと同様の税金がかかると理解しておいてください。
今後も空き家が増える理由
日本では、居住用の住宅を40~60年スパンで建て替えることが多くなっています。
1960年代後半から90年代前半くらいの間、かなりの家が建てられましたが、最も多かった1970~80年代に建てられた住宅が築40年を超えて建て替え期を迎えます。仮にこれらの家が建て替えられず放置されることになれば、かなりの空き家が出てくると考えられるでしょう。
そもそも空き家と化してしまう家は市場性のない場所にあることが多く、仮に地方都市の郊外などで売却を検討しても買い手が付きにくいことがあります。観光地に近い、または行政が誘致に積極的という要因でもなければ借り手もつきにくい状態です。
都市部では建物の古さをうまく利用しながらリノベーションを施し、飲食店や旅館などに活用するケースはありますが、地方でも同じような方法で地域活性に繋がる方法を検討していくしかないのかもしれません。