近年空き家が増加している傾向が目立っています。この空き家増加は特に地方都市で深刻化しており、住宅購入は戦後の日本の経済発展に大きな牽引をしてきただけにその理由が注目されるとことです。

 

空き家が増加している状況とは?

空き家が目立つのは地方都市だけではありません。郡部などさらに田舎になると空き家率が全国市部平均よりも高くなります。ただしそれは一時滞在するための別宅であったり、観光用の別荘であったりというケースもあることで、二次的な住宅を除くと空き家率は逆転します。
大都市の空き家状況を確認した場合には特に郊外で空き家は増加している状況です。しかし賃貸や売却待ちのマンション住戸が中心となっており、経済の効率性を考えるとそのような余剰ストックが問題視されると言えるでしょう。
さらに深刻になるのは市場から脱落して、賃貸として活用することや売却もできない物件が増加していることです。

 

税制の欠陥が全ての原因?

地方都市で空き家件数が増えている原因として、税制の欠陥が考えられます。現在の税制では更地にして空き地として所有するよりも、土地の上に使わない家でも建物があり空き家として所有したほうが固定資産税は軽減されます。
税額が6倍ほど異なるため空き家のままで所有される資産が多くなると考えられていることから、取り壊しなどが進まない状況であると言えるでしょう。
2015年からは「空き家対策特別措置法」でこのような不公平さについては見直しがされてきました。適切な管理が実施されていない空き家等が、防災や衛生、景観などで地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす「特定空家等」と判断されれば固定資産税の軽減措置は適用されません。ただ実際にどこまで効果があるかは不明確な状況と言えるでしょう。

 

持ち家を持ってこそ一人前?

これまでの日本では、新築住戸を立てるための金融システムや税制整備を踏まえ、終身雇用的な職に就きながら長期でローンを組み、自分の家を持つことが当然とされてきたところがあります。
特に賃貸物件が充実しない地方都市などは、結婚して持ち家を所有することが地域のまっとうな構成員である証明となる傾向が強いと言えます。
経済不況の中でも郊外住宅や高層マンションの建設が現在も続けられている中で、その余剰として空き家が増えることはこの先さらに進むと考えられるでしょう。

 

今後空き家はさらに増えると予測される

親が住んでいた実家を相続しても、取り壊しを行わず空き家として放置されているケースが多くなっています。今後日本は高齢化がますます進み、このような空き家住宅がさらに増えることが懸念されている状況だと言えるでしょう。

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