将来誰もが迎える事になる老後の生活。実際どのくらいの蓄えが必要なのか、今の60代が実際に貯金している額を参考に考えて行くと良いでしょう。
まずは年収別に平均と中央値を確認していきますが、平均だけで確認すると全体を均等化した数字になるので、一部の多額の貯金がある人がいれば平均値も上がります。
そのため統計の数字を並べた時に、ちょうど真ん中に位置する数字である中央値についても確認しておきましょう。
60代の平均貯蓄額と中央値
金融広報中央委員会が2人以上世帯に対して行った「平成28年 家計の金融行動に関する世論調査」から60代の平均貯金額と中央値を確認していきます。年収によって貯金できる金額も異なってくるでしょう。
会社員の人はリタイア後、収入は無くなりますが退職金などがあるので貯金が増える傾向にあります。自営業や企業の会社役員など、または不動産投資を行っている人などは収入が継続し、それに伴って貯金額も大きくなっています。
・収入がない世帯(リタイア後など)…平均値1,252万円、中央値505万円
・年収300万円未満の世帯…平均値1,043万円、中央値450万円
・年収300~500万円未満の世帯…平均値1,401万円 、中央値820万円
・年収500~750万円未満の世帯… 平均値1,833万円、中央値1,050万円
・年収750~1,000万円未満の世帯…平均値2,733万円、中央値2,011万円
・年収1,000~1,200万円未満の世帯…平均値6,805万円、中央値2,700万円
・年収1,200万円以上の世帯…平均値3,469万円、中央値2,290万円
将来年金制度はどうなるかわからない
退職金などを受取る事ができる会社員は、現在であれば老後年金受給だけで生活しながら貯金を取り崩す事も可能かもしれません。
しかし今の現役世代が老後を迎えた時には、受給できる年金の不透明さなどがあるため今の60代や70代と同じ様な生活はできないと言えるでしょう。
実際に年金保険料は高くなっても、受給額は減らされ受給開始年齢は引き上げになるなど、現役世代にとって年金制度は負担でしかない状態になっています。
そのため安心した老後を送る為にも、まずは自助努力で老後の蓄えをする事を考えて行く必要があります。
リタイア後に一発逆転の発想は危険!
老後に入ってから、退職金などを元手に投資をゼロからはじめれば良い、と安易に考えてしまうのは危険です。
若い世代から少しずつお金をコツコツ貯めて行けば、老後を迎えた時には大きな資産となって返って来る可能性もあります。
まずは一発逆転などの発想は捨てて、今から出来る事は何かを考えていく様にしましょう。