老後の資金に1,500万円必要言われていることもあれば、3,000万円や1億円など色々な考え方があり、どれが本当なのか疑問を持つこともあるでしょう。
公益財団法人生命保険文化センターが公表している老後の最低日常生活費は月額平均22.0万円、ゆとりある老後生活費は月34.9万円です。
7割を超える人が老後資金の準備に関して充足感がないと答えているなど、老後生活に対して経済的準備についての不安は大きいようです。
老後に必要な生活費とは?
総務省が平成29年2月に実施した家計調査では、老後の夫婦世帯の1か月の支出総額は24
7,862円です。
内訳として多くを食費(59,952円)が占めており、次に税金や社会保険料(35,048円)、その他水道光熱費や交通通信費、教養娯楽費(各25千円程度)という結果になっています。
しかしこれは生活費だけで、他にも老後の生活には色々なお金が必要になるでしょう。重い疾患にかかれば医療費も多くかかるでしょうし、介護が必要になれば家のリフォーム代、施設に入所するならその必要も必要です。
そもそも家は経年劣化によって修復していかなくてはいけない部分が出てきますので、そのための修繕費用は準備しておく必要があります。
老後の生活費は金融資産で備える人がほとんど
老後の公的年金だけで生活費をまかなえるかどうかもわからない中、生活費だけでなく色々な費用が必要になることを考えるとリタイア後の生活に不安を抱えるのは当然でしょう。
生命保険文化センターで老後のために私的準備をしている人がどのくらいの割合を占めているか調査した結果、何らかの手段で準備している人の割合は64.8%でした。
その多くが預貯金で45.2%を占めています。他にも個人年金保険や変額個人年金保険などの生命保険を活用する人が44.0%で、金融資産で備えている割合が非常に高いと言えるでしょう。
老後は生活レベルを下げるしかない?
これら金融資産で備えていたとしても、老後の生活は現役世代と同じ生活レベルでは過ごせない可能性がありますので、生活レベルを下げて生活を送ることになるかもしれません。
しかし生活レベルを下げないで、これまで住んでいた家を売却し、地方移住などで生計を立てて生活をするという方法もあります。
地方は中核都市でも東京より物価が約1割は安いため食費などを下げることができます。特に住居費は東京の3~5割程度になるため、かなり経済的負担が軽減されると考えられるでしょう。
物価の安い地方移住で生活レベルが維持できるかも?
老後は在宅時間が長くなるので、過ごしやすい気候の場所に引っ越せば電気代などの節約にもなると考えられます。
そう考えると家を保有しておくことで将来その売却費用を移住費用に充て、安定した老後を送る糧にできる可能性もあるでしょう。