子供の教育資金やマイホームを購入するための住宅資金は、どのくらい準備しておけばよいか、事前に計画を立てやすいでしょう。しかし老後資金となると、年金がいつからいくら貰えるのか、将来のことは誰にもはっきりわからない部分があります。退職金も受取ることはできるだろうけれど、退職までどのような事態が起きるかもわかりませんので、老後資金の計画は立てにくいと言えます。しかし老後に対する不安をただ漠然と抱いていても何も解決できませんので、ある程度目安を立てて老後資金について考えておく必要があります。
ゆとりある老後を送るために必要な資金は?
リタイア後の生活に必要なお金はどのくらいでしょう。生命保険文化センターの「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦2人が老後ゆとりある生活を送るために必要と言われている金額は月平均34.9万円です。60歳で退職して夫婦2人で20年間生活した場合には、合計で8,376万円老後資金として必要だと言えます。公的年金を現在の受給額で65歳から受取ると考えると、総額3,960万円になります。そうなると退職金も含めて約4,416万円分の老後資金を準備する必要があると言えるでしょう。
老後資金の準備以外にも必要なお金がある
老後資金としてとてもたくさんのお金を準備する必要があります。準備する必要があるのは老後資金だけではありません。自分の一生をどのように生きていくか、結婚、出産、子供の進学、住宅購入と、色々なライフイベントを迎える可能性を考えながら必要なお金の準備をしていきましょう。そして老後はどのような生活を送りたいのかも考える必要があります。
老後に備えたリフォームに必要なお金とは?
また、老後の暮らしに備えて、リタイア前後に家の大規模リフォームを行う人も増えているようです。一戸建の場合には、住宅設備の変更、床や壁紙の張替え、屋根の葺き替え、外壁の塗装などが主なリフォーム内容です。その費用は、一戸建の場合、約半数が1,000万円を超えることとなり、マンションでは約8割が500万円くらいかかっているようです。さらに固定資産税や都市計画税なども必要ですし、マンションになると修繕積立金や管理費、駐車場代なども毎月必要になることは忘れないようにしましょう。
状況によって転居を検討するケースもある
家を所有していても色々なお金がかかるということもあり、自宅の現状や生活環境、健康状態に不安がある場合など、高齢者施設に転居することを検討する人もいます。自宅の売却代金と老後生活するための維持管理費を転居後の生活に充てることで、老後資金から追加支出がかからないケースもあるようです。
老後資金はできるだけ多くが必須
老後に必要な資金は、生活費だけでなくそれ以外にも家の維持費などが必要です。将来の年金制度がどのように変わっていくのかもはっきりとわかりませんし、できるだけ早い段階から老後資金を多く貯蓄することが必要だと言えます。また、家がある場合には売却するという可能性もありますが、状況に応じて検討していくことが大切でしょう。