借地権は土地の所有者から土地利用の権利ですが、保有すれば財産ですので相続の対象にもなります。
借地権をどのように価値を評価すれば良いか分からない、というケースもあるようですが、借地権の評価額は、路線価や地区区分などが記載された財産評価基準書から確認できます。財産評価基準の路線価図と借地権割合の見方を確認しておきましょう。

 

路線価図で示される数字は?

借地権割合に路線価を掛けて借地権の評価を計算しますので、路線価を知るために路線価図の見方を理解していく必要があります。
路線価図に示される路線価とは、道路(路線)に面する宅地1㎡当たりの価額を千円単位で示しています。土地が2つ以上の路線に面する場合には、路線価の高い方が正面、低い方を側方とし、側方には側方路線影響加算率を加え算出します。

・借地権割合を示すアルファベット
借地権割合は地域や場所で異なりますが、
A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%
というように、アルファベットごとに割合で表します。

・数字とアルファベットの組み合わせ
左上端の数字は路線価図の年分及びページを表示します。続いてその右に、地区および地区と借地権割合の適用範囲を示す記号が記載されており、さらにその右には各路線価の右隣に表示しているA~Gの記号に対応する借地権割合を占めています。(A:90%、B:80%、C:70%、D:60%・・・など)
そしてそれらの説明の下に図面があり、数字で示された路線価の横に借地権割合(アルファベット)が付いて記載されています。
例えば「215D」と記載があった場合、1㎡当たりの路線価が215,000円で、借地権割合が60%であることを示しています。

 

黒塗りと斜線は何を示す?

数字のある記号の上部や下部などが黒塗りや斜線で表示されている場合、黒塗りであれば黒塗り側の路線の道路沿いだけが該当し、斜線ならその地区区分は斜線側の路線には該当しないことを示します。
黒塗りや斜線でもない白抜きの場合には、その地区区分はその路線全域に該当するという意味です。

 

路線価の定めがないなら評価倍率表を!

路線価の定めがない地域もありますので、その場合には市区町村の「評価倍率表」を参考にしましょう。
評価倍率には、一般の土地等用、大規模工場用地用、ゴルフ場用地等用という3種類で、土地の固定資産税評価額に該当する評価倍率表の倍率が用いられますので、借地権割合も倍率記載の地域ごとに数値で示されます。

 

財産評価基準書はあくまでも目安として参考に

この財産評価基準書は、相続税を算出する時に基準にする路線価や地区区分などが記載されたものです。
そのため路線価図で求めることができる土地や借地権の評価額はあくまでも目安ですので、借地権の売買などの価格交渉の参考として使えても土地の相場を決定づけるものではないことを理解しておきましょう。

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