今は現役で働いているけれどいつかは迎えることになる老後生活。その中で実際に必要になるお金にはどのようなものがあるのか具体的に考えたことはあるでしょうか。
老後資金として考えられるお金には、退職後に必要になる食費や水道光熱費、消耗品を購入するといった基本的な生活費、持ち家でないなら家賃、持ち家の場合は住居の維持費、入院や介護にかかる医療費、冠婚葬祭や付き合いなどの費用など、娯楽費を入れなくても最低限これだけのお金が必要になります。
日本の平均寿命は延びているけれど…
2016年の日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳です。推移をみると年々寿命は延びており、このままでは90歳を超える勢いだと言えるでしょう。
ただし平均寿命はその年においての0歳児の平均余命のことです。例えば男性であれば80.98歳なので、2016年に生まれた男性は社会情勢など大きな変化がなければ平均してこの年齢まで生きることができることをあらわします。
今現在の高齢の人がこの年齢まで生きることができるわけでもなく、反対にこの年齢に既に近い人は亡くなる可能性が高いというわけでもありません。
参考にしたいのは平均余命
2016年の簡易生命表から見た場合の65歳の平均余命は、男性が19.55年、女性が24.38年です。これは2016年時点で65歳の人が平均してあと何年生きられるかを示しています。
一般的なリタイア年齢は60歳ですが、年金受給年齢が65歳まで何らかの形で働き続け、そこから本格的な老後がスタートすると考えられます。
老後にかかるお金がいくら必要なのかは、男性なら19.55年、女性なら24.38年の資金を目安として考える必要があるでしょう。
会社員が必要になる老後資金はいくら?
65歳からスタートする老後生活にどのくらいの資金が必要になるでしょう。持ち家の人と賃貸住宅の人では必要になる金額にも差があります。
・持ち家の人の場合
まずは持ち家の人の場合、総務省の家計調査では高齢夫婦無職世帯の1か月の支出は約28万円です。この金額を平均的な生活とみなした場合、仮にこの先平均余命が延びて30年になったとすると1億と80万円必要になります。
さらにリフォーム費用や介護といった予備費を必要とすると、夫婦で600万円は別に予備費として見ておく必要があります。
・賃貸住宅の人の場合
持ち家ではなく賃貸住宅に住まいがある場合、仮に月10万円の家賃で30年暮らせば3,600万円必要です。持ち家の人が必要とする老後資金にさらにこの金額をプラスして準備することが必要だと言えるでしょう。
現役時代のうちから住宅ローンの負担にかからない分を貯蓄するなどして、老後の住居費を早い段階から確保しておくことが必要不可欠です。
・有料老人ホームに入居を検討している場合
有料老人ホームなどに入居することを希望する場合には、さらに別で大きな支出が生じることになります。入居するには一時金と毎月の利用料金が発生しますので、仮に5年入居すると考えると平均2,000万円程度必要になるケースもあります。
老後資金の準備はできるだけ早めに
このように実際に数字にしてみると、かなり大きな金額が老後には必要になると考えられます。自分の収入や支出を再度確認しながら、老後資金の準備はできるだけ早めに始めることが必要だと言えるでしょう。