長い期間誰も住んでいないまま放置された「空き家」。しかし空き家のまま放置すると、人が住んでいる状態よりも劣化が早いと言われています。
気が付かない間に屋根の瓦が落下したり、壁が剥がれ落ちたりと、通行人にケガを負わせるだけでなく、庭の雑草が伸び放題で周囲の景観も損なうことになるでしょう。
しかも空き家のまま放置することは、不法投棄や事件などに利用される可能性もあるため、周辺住民の安全や治安に悪影響を及ぼすことになることを理解しておく必要があります。
いざ売却しようとしても売れない…
周辺住民にこれ以上迷惑はかけられないと、売却を検討しても劣化が進んだ建物を買いたい人は見つかりにくいでしょう。それなら自分で住む、もしくはセカンドハウスとして活用しようと思っても、修繕や内外装のリフォームにかかる費用は膨大になる可能性も出てきます。
そのため所有しておくのなら空き家として放置するのではなく、定期的に管理を行うことが必要になるでしょう。
空き家の劣化はなぜ早い?
人が住んでいる家よりも空き家の劣化のほうが何倍も早い原因として、次のようなことが関係します。
・換気不足
人の出入りがないことで、長期間締め切った状態のまま放置されていると湿気が溜まりやすくなります。カビの繁殖などが起きやすいので、特に梅雨の時期や湿気が多い夏場は注意が必要です。
・給排水管、ガス管の劣化
給排水管やガス管を長期間使用していない状態のまま放置すると、管の内側にはヘドロや異物が付着したままの状態となり、それが乾燥や硬化してひび割れや破損の原因になります。
また、給排水管やガス管に付着したヘドロから異臭が発生し、害虫が繁殖するケースも考えられるでしょう。
・害虫発生、雨漏り
敷地内に雑草が生い茂ることで野良猫などが住み着く可能性もあります。景観を損なうだけでなく、猫などの糞尿などが影響して悪臭を発生させる可能性もあるでしょう。
そして手入れされていないことでシロアリが侵入し、柱や壁に穴が開き雨漏りを起こす可能性もあります。雨漏りが湿気を増加させ、さら浸食させてしまうことになります。
空き家を所有するなら定期的な管理が必要
劣化が進んだ空き家は買い手がつかない上に住み手もいないので、さらに放置したまま売れることを待っていたとしてもさらに劣化を進行させることになります。
自分が住む場合でも、カビや雑草を除去する作業や、壁の補修、畳の張替え、給排水管やガス管の交換と、リフォームの規模が大きくなることで住むまでに大きな費用が発生することになるでしょう。
ただし見た目はきれいになってもカビの臭いが一掃できないままになったり、柱と壁の間から砂が落ちきたりといった問題に悩むことになる可能性も考えられます。
空き家のまま放置する前に相談を
売るのも住むのも難しい場合には賃貸物件として利用することも選択できますが、やはりここでも修繕やリフォームが必要になります。
仮にいつまでたっても入居者が見つからなければ、家賃収入を得ることができずにリフォーム費用だけ支払ったという状況になる可能性もあるかもしれません。
いずれの方法を選択する場合でも、空き家のまま放置せず定期的なメンテナンスは必要です。空き家として放置する前に何らかの策を講じることが必要ですので、専門家などに相談しながら検討していきましょう。