国や自治体から公表されている土地価格を見ると、固定資産税評価額、路線価、公示地価、基準地価(都道府県基準地価格)など色々な種類があるので理解しにくいと感じている人も少なくありません。
また、個別の要素以外に売主と買主の事情に左右される部分が強いので、さらに分かりづらいと考えられます。
そのため公的に公表されている価格のうち、路線価、基準地価について、何が異なるかを確認していきましょう。
路線価とは?
路線価は路線(道路)に面する標準的な宅地1㎡あたりの価額で、路線価が定められている地域の土地を評価する際に使います。
路線に面する宅地の価格は全て同じになる、という考え方なので、敷地の形状などに応じて補正をします。
なお、大都市部の幅が広い路線などは、道路の途中や、上り車線側と下り車線側というように異なった価格が付けられる事もあります。
路線価が定められていない地域もありますが、この場合には市区町村の「評価倍率表」で判定します。
・路線価の種類
路線価には相続税路線価、それと固定資産税路線価があります。
一般的な路線価は、相続税路線価を指していることが多いと考えられますが、相続税や贈与税の算定基準になる土地評価額のことを指し、公示地価の8割を目安に設定されています。
対して固定資産税路線価は、土地それぞれの固定資産税評価額を決める時の基準価格です。
・路線価の調査と公表時期
路線価は相続税法を基に、国税局が調査を行い価格の決定を行います。基準日は毎年1月1日で、7月1日に公表されます。過去7年分の全国の路線価図は国税庁のページで閲覧することが可能です。
基準地価とは?
土地取引価格の審査基準価格として設定された価格で、都道府県が毎年1度公表します。
・基準地価と公示地価は何が違う?
基準地価は国土利用計画法に基づいて、都道府県が毎年7月1日を基準日として調査を行い、毎年9月20日前後に公表されます。また、調査範囲は都市計画区域外を含む全国を対象としています。
対する公示地価は、地価公示法に基づいて国が毎年1月1日を基準日として調査を行い、毎年3月20日すぎに公表されます。調査範囲は、都市計画区域および国土交通省令で定められた区域を対象としています。
どちらも不動産鑑定士による鑑定評価を基に、売主と買主に偏ることない正常価格を決めていますので、大きな相違はないと考えられます。大きく異なるのは、調査対象の範囲で、基準地価は町村部も含む全国平均であるのに対し、公示地価は都市部の平均であると考えられるでしょう。
土地価格の内容の違いを理解しておくこと
公表されている土地価格には色々な種類がありますが、基になる法律や基準日、対象となる範囲などが異なります。何が違うかを理解しておくようにすると良いでしょう。