持ち家と賃貸を同じ条件で比較すると、住宅費の生涯コストはほとんど変わらないという考え方もあります。それなら自由に住む場所を選べるし、住宅ローンはなど借金のない生活が送れる賃貸のほうが良いようにも思えますが、実際はどうなのでしょう。
生涯コストは同じでも老後負担は異なる
確かに生涯かかるコストで考えた場合にはそれほど大きな差はないかもしれません。しかし差が生じるのは老後で、ローンが完済すれば身軽になる持ち家に対し、賃貸は家賃の負担を一生続けることになります。
将来受取ることができる年金もあてにできないと考えられるため、実家を相続する予定がある人は良いですが、そうでなく老後の住居費として3,000万円以上準備しておける人以外は持ち家を購入しておいたほうが良いかもしれません。
将来的な資産性も踏まえた検討を
しかし持ち家を購入するなら、将来的な資産性を重視して検討する必要があります。
都心のマンションでランドマークになる物件は購入時より高値になる可能性もあるでしょうし、都心は無理でも人気の高い沿線の駅近隣なら狙い目と言えます。マンション自体、物件の流動性が高い上に、駅近物件なら売ることも貸すことも容易です。
むしろ郊外で駅から距離のある一戸建てのほうが買い手は付きにくいですし、賃貸物件として利用したとしても厳しい状況です。30年後に価値として残るのは土地代くらいと見込んで、一生住み続ける覚悟で購入したほうが良いでしょう。
なるべく費用を抑えた一戸建ての購入を考えるなら
また、一戸建てを購入するなら大手ブランドのハウスメーカーにこだわると価格が高くなりがちなので、地場のパワービルダーの物件なども狙い目です。
不安を感じる場合には、耐震性など構造部分に対する診断を専門家に実施してもらうという方法もあります。
今後は地価上昇のあおりから物件価格を上げることや、価格を抑えるため一戸あたりの面積を絞ってくる可能性もあります。さらに市場金利が上昇すれば住宅ローン金利も上がるはずなので、なるべく早めに検討したほうが良いかもしれません。
物件選びは総合的な判断で決めること
持ち家を購入することはキャッシュフローだけのメリットでは計れない価値もあります。子どもに資産を残したいという理由もあるでしょうし、子どもが小さい時期に階下の人などに迷惑をかけたくないという理由でマンションではなく一戸建てを選ぶ家庭もあるかもしれません。
しかし子どもも成長していきますので、一時期だけのことで駅から遠い不便な物件を選び、通勤や通学に時間が掛かることがストレスになる可能性もあります。
将来的に売り貸しが容易な物件であれば、住み替えなども検討しやすくなるので、総合的に判断して購入する物件を選ぶことが大切です。