不動産を所有している場合、市町村から固定資産税が課税されますが、対象となる所有者は毎年1月1日時点に固定資産税課税台帳に登録されている人(者)です。
空き家を所有している場合、誰も住んでいなくても固定資産税の納税義務を負うことになるので注意が必要ですが、仮に年度の途中で空き家を売却しても月割りで税額分が還付されるわけではありません。
1月1日時点の所有者が、その年の固定資産税を全額納税することになるので注意してください。
ではこの空き家に対する固定資産税を滞納したまま支払わなかった場合、どのような措置が取られることになるのでしょう。
滞納すれば延滞金が発生する
不動産などを所有している場合、こちらから何か行動しなくても不動産の課税標準額をもとに計算した税額が記載された納税通知書が送られてきます。
納税通知書に納付期限が記載されており、その期限内に支払わなければ延滞金が発生してしまうため必ず期限内に納付しましょう。
なお、納付期限の翌日から1か月以内に納付すれば、延滞金の率は優遇されます。
固定資産税を支払うことが難しい場合
どうしても固定資産税を支払うことが厳しいという場合、状況によっては申請することにより、1年以内の期間で徴収猶予による分割納付が可能です。
ただし、納税者が対象の財産について、震災や火災、風水害などの受けた、または盗難にあったという場合や、納税者本人や生計が同じ親族が病気やケガをした場合、事業に著しい損失があった時や休止・廃止した時などの特別な事情、またはこれに類する事実があった場合にのみ対応してもらえます。
また、猶予されるのは固定資産税全額ではなく、納付が不可能だと認められる金額を限度としていますので注意しましょう。
減免措置が取られる場合もある
さらに、徴収猶予などの対応でもさらに納税困難だと認められる場合、減免してもらえる場合もあります。
ただしこちらも、天災やその他特別の事情がある場合や、生活保護など公的扶助を受けている場合、客観的にみて税負担の能力がないと判断された場合などで、条例上の根拠が必要になることを理解しておきましょう。
誰が家を相続するのか届出を行っておくこと
親の家を相続した場合、固定資産税の支払い義務も同時に相続すると理解しておく必要があります。
相続人が複数人いる場合には、市町村役場に誰が実際の相続人なのかを伝えておかなければ相続人全員に対して納税通知書が送られることになります。
また、市町村役場に届出を行っていても、税金が滞納されていれば他の相続人に請求されることになりますので注意してください。
滞納せずに期限内に支払うことが重要
亡くなった人から相続人に、空き家の名義を変更する相続登記を行っておけば、仮に税金を滞納していても他の相続人に対する請求が行われることはありません。
ただし、設定されている期限内に納税することは大切ですし、期限を過ぎれば延滞金が掛かりますので、例え空き家で自分が住んでいない住宅だとしても、期限を守って納付する様にしましょう。
もし納付が難しいという場合には、支払うことができない事情などを自治体に伝えるなど相談することが必要です。
何もせずに放置しておくと、財産や給料の差し押さえなどが行われる可能性もありますので、必ず相談するようにしてください。